接客業をはじめとするサービス業を仕事にしている方は、お客さんの要望に答え、クレームの対応もしなくてはなりません。
特に日本は、サービスの高いレベルが求められる傾向にあるため、お客さんに何を言われても笑顔を保ち、謙虚な姿勢でいるようにと教育されます。
お客さんの対応時、どんなに悲しくても、腹が立つことがあっても、湧き出る感情をグッと押し殺さなくてはなりません。
それは発散できなければ、やがて大きなストレスとなり、自身を蝕むことになってしまいます。
中には、感情を押し殺すことに慣れて、麻痺してストレスに気付けない状態になっているケースもあります。
それはいずれ爆発し、うつ病などの病として身体に現れ、強制的に休まなければならなくなってしまいます。
肉体労働や頭脳労働であれば、しっかり休むことで回復が見込めます。
しかし、ストレスのような精神的なものは目に見えないため、放置していると回復が難しくなりがちです。
ストレス過多な状態が普通になってしまうと、イライラしやすくなり、プライベートの気持ちの切り替えもできなくなります。
そんな状態で限界を超えると、バーンアウト(燃え尽き症候群)になる可能性も出てきます。
バーンアウトになれば、ある日突然無気力・無関心になり、仕事に対する意欲も低下してしまいます。
こうした事態を避けるため、定期的にストレスチェックを行っている職場は少なくありません。
ストレスの状態を知る機会を設けることは、従業員を守るという意味でとても重要なことです。
理想は、定期的な面談を行い、従業員がストレスを気軽に吐き出せる環境をつくることでしょう。
真面目な人ほど、周囲に迷惑をかけないように我慢することが多く、「大丈夫です」の一点張りで本音を言わない傾向にあります。
従業員が何も言えず、ストレスを溜め込むような状況は、いずれ会社側に悪影響が及ぶものです。
そうならないよう、会社が積極的に従業員と頻繁にコミュニケーションを取り、なんでも話せる場を提供することが必要不可欠なのです。